みなさんこんにちは!助産師のシオリーヌです。
私は今医療英語留学の真っ最中でフィリピンのセブ島に滞在しています。
今回の留学について「どんな留学生活を送っているか発信してほしい!」というお声をたくさん頂戴したので、
【セブ島留学記】と題して全4回のシリーズを執筆しています。
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第2回の本記事は、私の通う医療英語特化型の語学学校HLCA代表 海仲由美さんへのインタビュー記事となっております!
HLCAの学校紹介やセブ島留学のメリット、そして元看護師として病院で勤務経験がありながらセブ島で語学学校を開設するにいたった経緯や看護師の働き方まで
さまざまなトピックスで根ほり葉ほりお聞きしてきましたので、ぜひお楽しみください。
目次
医療英語専門の語学学校HLCAとは
シオリーヌ(以下:シ):海仲さん、本日はお忙しいところありがとうございます。よろしくお願いいたします。
海仲由美(以下:海):よろしくお願いいたします。
●セブ島唯一の「医療英語専門」語学学校
シ:早速ですがHLCAとはどういう学校なのでしょうか。
海:HLCAは2015年4月開講した医療英語特化型の語学学校です。医療英語を専門とした語学学校というのは世界的にも珍しく、セブではHLCAが唯一です。
シ:なるほど。アメリカやイギリスなど語学留学で有名なほかの国であっても、医療英語に特化した学校というのは少ないんですね。
また授業を受ける中で、助産師や看護師、理学療法士など各医療職の細かな業務内容に対応したテキストやカリキュラムが用意されていて驚いたのですが、こういった教材などはどのように作成されたのでしょう。
海:学校を開設するにあたってこれまでのセブになかったオンリーワンの語学学校にしたいという思いがあったので、初めは留学生一人ひとりに応じたカリキュラムをその都度作成していたんです。
それが年数を重ねるなかで徐々に体系化されていき、今のような「看護師コース」「助産師コース」といった形になりました。
シ:初めは一人ひとりに違ったカリキュラムを作っていたんですか!?すごい労力だ・・・
●選ばれしハイレベルの講師陣
シ:授業を担当してくださる先生も看護師や理学療法士などの資格をお持ちの方ばかりですが、先生方はどのように採用されるのですか。
海:これにはフィリピンの看護師の就労状況が影響してくるのですが、実はフィリピンで看護師として働こうとするとほとんど無給のような状態であったりと、かなり過酷な状況なんです。その状況で看護師を続けてキャリアを積んでいけるのはほんの一握りで、身につけた学力や英語力を使って全くほかの職種に転職するケースが多い。
そういった人がたくさんいる中で、高い英語力と看護師と通じて身につけたホスピタリティを活用できる仕事として「語学学校の講師」を選ぶ人が増えてきたのです。その背景を知ったときに、せっかく医療の知識があるのに単なる一般的な英語を教えているのはもったいない、そういった人たちに医療英語を教わりたい人がきっといるはずだと感じました。
シ:なるほど。日本では看護師は仕事に困らないようなイメージがありますが、フィリピンでは資格を取ったからといって全員が安定して働くことができるとの限らないのですね・・・
ところでこのHLCAにはそういった講師希望の応募はたくさん集まってくるのでしょうか。
海:希望はたくさんあったとしても、英語を教えるスキルと医療職の臨床経験をバランスよく持っている人材となると限られてくるので、倍率は30倍程度になりますね。
シ:30倍・・・!?では今いらっしゃる先生はその狭き門を潜り抜けた先生たちなんですね。凄すぎる・・・
●授業以外のプログラムも充実
シ:先日私も学校のプログラムとして地方の村でのボランティア活動に参加させていただきましたが、そういった授業以外のプログラム活動というのはどのように実施されているのですか。
海:だいたいは元々現地で活動されているNGO団体の活動に同行させていただいて、先日の地方の村や離島などに出向いています。
その活動の中でHLCAの生徒が協力できそうな衛生指導などのコンテンツを追加させてもらうような形です。こういったボランティアは2週間~1か月に一度程度のペースで企画しています。
シ:なかなか一般的な留学の中では、その地域の医療や公衆衛生の実情などを学ぶことは難しいですもんね・・・
また普段の先生との何気ない会話からも、フィリピンの医療にかかわる問題や価値観などについてもたくさん学ぶことができていて、そういった点も「医療英語特化型」の語学学校を選ぶ大きなメリットだなと感じています。
近ごろ人気のセブ留学
●マンツーマン授業がウリのセブ留学
シ:そういえば最近セブ留学が徐々に人気になってきているように感じるのですが、留学先にセブを選ぶメリットってどういった点なんでしょうか。
海:やっぱり手軽な授業料でマンツーマンの授業を受けられるということだと思います。マンツーマンという環境って恥ずかしがり屋の日本人に合っていますし、文法とかライティングの経験はあってもなかなかスピーキングをしたことがないという日本人にとってとても鍛えられる状況なのではないでしょうか。
シ:たしかに私もここまで約2週間、マンツーマンで英語しか話してはいけないという環境で授業を重ねてきたおかげで、少しずつ英語を話すことへの抵抗が薄れてきたように感じます。グループレッスンだったらきっともっと時間がかかるんだろうな・・・
海:やっぱり楽しいのが一番大切ですからね。相手に伝えたい気持ちとか英語を話せて楽しいなって気持ちがないと、英語の勉強はただの試験対策になってしまう。
シ:たしかに今までは点数を稼ぐための勉強、でしかなかったです。
海:そうすると英語に苦手意識を持つ人も増えてしまいますよね。
シ:本当ですね。ちなみにマンツーマン授業というのはセブ留学全体の特徴なんでしょうか。
海:それが最大のウリだと思いますね。国民の平均年齢が23歳ということもあって働きたい世代の人口がとても多いですし、人件費も比較的安いという状況もあってマンツーマン授業にも対応可能な十分な人材が確保できる環境なんです。
シ:若者がどんどん減少している日本とは大違いですね・・・
●日本人が安心して過ごせる環境
海:それから日本人経営の語学学校も多く、日本人の受け入れに慣れているというのもオススメできる理由です。
日本人が英語のどんなところでつまづきやすいのか、苦手意識を持ちやすいのかということを考えられたり、生活面でもどんな環境だったら過ごしやすいか配慮してサービスを提供することができています。
シ:私なんかはこの留学が初めての海外渡航だったんですけど・・・
海:それ本当びっくりしました!!よくフィリピンに来たな~~と思って(笑)
シ:そうなんですよ(笑) 初海外なので入国審査とか買い物の仕方とかWi-Fiの使い方とか、本当にちょっとしたことでも不安だらけだったんですが、日本人スタッフの方にとても親切にサポートしていただいて安心過ごすことができました。
元看護師がセブ島で語学学校を起業したワケ
●きっかけをくれた友人の言葉
シ:ここからは海仲さん自身のことについてお伺いしたいのですが、病棟の一スタッフとしての働き方を離れてセブで起業されようと思ったきっかけは何だったのですか。
海:多分看護師になる前から、自分だからできることを何か成し遂げたいという思いはあったんです。
そういう思いがありつつも親のすすめもあって看護師になったんですが、病院の中で働く中で自分が看護師でしかない感覚になっていったんです。“海仲由美”ではなく“看護師”でしかない。
シ:ああ、すごくわかります。個性がなくなっていきますよね・・・
海:そうやって自分の可能性を持て余していることがもったいないと感じるようになったというのが一つです。
それから看護師としてなにか専門性をもって働こうと思ったときに人をおもてなしすることが好きだったので、医療インバウンド(海外から病気治療の患者や検診者を受け入れる取り組み)に関わる仕事をしてみようかと思ったんです。そこでまずは英語の習得だ、と。
シ:なるほど。そこでセブに留学にいらしたんですね。
海:フィリピンって人件費も安い分、経営者を目指している人がとても多いんですね。
当時私がセブで一般の語学学校もスタッフをしていた時にもそういう若者が周りにたくさんいて、そのうちの一人に「なんで自分でやらないの?」「なんで働いてるの?」って聞かれたんです。日本人が自分で事業を始めるためのお金を準備できないわけがない、と。
シ:自分でビジネスを始めるというのが、日本よりも一般的なんですね。
海:初めは「自分で起業するなんて無理だ」と思っていたけど、友人に言われたその二つの質問が頭から離れなくて。それでしばらく考えたすえに「自分でやろう」と決めました。
もし多少無茶をして失敗しても、日本の国籍と看護師の免許があればやり直しがきくじゃないですか。
シ:たしかに日本国籍があって看護師免許がある、という安心感は挑戦のハードルを低くしてくれますね。
病棟で忙しく働いていると自分にそんな可能性があるなんてことも忘れがちになってしまいますが、その資格を上手に利用して多くの看護師が好きなことに挑戦できるようになるといいですよね。
●母をみて知った看護師の過酷さ
海:もう一つきっかけがあって、それは自分の母親なんです。母は40代で高校に行きながら看護学校に行きだして・・・
シ:40代で女子高生&看護学生ですか・・・!?
海:それで47歳で看護師になったんです。その母の働いている姿から看護師の世界の過酷さを学びました。上下関係も厳しく、体力勝負で身体も壊す。夜勤をやらなければお給料も低い。この仕事は年を取ってからもずっと続けるのは難しいと感じました。
そのこともきっかけとなって、何か+αで自分の経験を人に伝えることを仕事できるような環境づくりをしたいと思うようになったんです。
シ:それは私もすごく感じます。病棟での看護師の仕事を一生続けるって、本当に過酷ですよね。
海:私ってなんかすごく頑張っている人みたいに見られがちなんですけど、本当はとにかく人生を楽しみたいっていう性格なんですよね。
だから自分の好きな仕事である程度生活できて、幸せに生きていけたらいいなって思っています。
シ:それが一番大切なことかもしれませんね。
●一歩踏み出したい若者へのメッセージ
シ:この記事をご覧いただいている方の中にも、一歩踏み出したいと思いつつもなかなか行動に移せずにいる若い世代の方もいらっしゃると思います。
そういった方へアドバイスをいただいてもよいですか。
海:自分が行き詰まったりしんどいなと思ったときに、それに耐えるのが美徳みたいに考えてしまうとどんどん自分を苦しめていってしまうだけな気がします。
そんなときは特別な向上心は持たなくていいと思うので、気軽に環境を変えたりとか出会う人を変えるとか海外に行ってみるとか、アクションを起こしてみてほしいなと思いますね。
「選択肢を増やす」ということが人を生きやすくすると思うんです。
“これしかない” “この病棟しかない” みたいになるとどんどん辛くなるので、たとえば「私は看護師でもあるし、こんなコミュニティにも属しているし、こんな趣味もある」みたいな選択肢を増やす作業を20~30代のうちにやっておくことがその後の人生の豊かさを決めるのではないでしょうか。
もし最近しんどいなー、と思うことがあったら3日でもいいのでぜひセブに遊びにきてください(笑)
シ:本当ですね。皆さんに勇気を与えるようなメッセージ、ありがとうございました。
最後までご覧いただきありがとうございました。
元看護師という立場からセブで起業し医療英語専門の語学学校をバリバリ経営する海仲さんのお話から、若者のもつ可能性や自分の人生を自分で切り拓くことの大切さを学ぶことができました。
医療英語を身につけてキャリアアップしたい、という医療職の方はぜひセブ島の医療英語専門語学学校HLCAへいらしてみてはいかがですか?
もちろんちょっと心身を休めたいぞという方にも、リゾート地セブ島はとってもオススメ!
次回第3回のセブ島留学記では、セブ島でのアクティビティや休日の過ごし方についてお伝えします。
お楽しみに!
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