「ピルは副作用の多い怖いクスリ・・・?」そんな思いを抱くあなたへ、ピルのすべてを徹底解説!

 

皆さん、こんにちは。助産師のシオリーヌです!

 

突然ですが“ピル”に対して、どんなイメージをお持ちですか?

 

「副作用が怖いらしい」

「遊んでいる人が使うクスリ」

「太るらしい」

 

などなど、日々たくさんのピルに対する意見を耳にします。

 

ですが、ピルってそんな怖いだけの薬ではありません!

 

むしろ、そのメリットを上手に活かすことで女性の生活をとても安心に、そして快適に変化させてくれるありがたい存在なのです。

 

もちろん薬なので副作用もありますが、そのメリットとデメリットをよく比較してメリットが上回る場合には積極的に選択肢に入れてよいものだと感じます。

 

そこで今回はそのピルについて、助産師でピルユーザーでもある私が徹底解説したいと思います!

 

皆さんのお役に立てると嬉しいです。

 

▼動画で見る場合はこちら!

 

そもそもピルって?

●ピル=女性ホルモンの錠剤

ピルとは、エストロゲンとプロゲステロン(いわゆる女性ホルモン)の配合された薬剤のことで、

避妊や月経困難症(腹痛や貧血、吐き気やイライラなど生理に伴って起こる症状のうち、重たすぎて日常生活に支障をきたすレベルのもの)の治療のために使用されます。

 

一般的にピルと呼ばれているのは「低用量ピル」という女性ホルモンの配合量が少ないタイプのもので、避妊目的に使用する場合はOCと呼び、月経困難症の治療として使用する場合にはLEPと呼ばれますが、薬剤は同じ成分です。

 

ちなみにアフターピル(緊急避妊ピル)と呼ばれるピルは、レボノルゲストレルというホルモンが含まれた薬剤で、低用量ピルとは中身がちょっと違います。

 

●ピルの飲み方

低用量ピルは、1日1錠毎日決まった時間に内服して使用します。

 

3週間連続して内服した後に1週間内服しない期間(休薬期間)を設けると、その間に軽い生理が起こります。

(連続して内服できる期間や休薬期間の長さは薬剤の種類によって異なります)

 

ピルが避妊になる仕組み

ではそもそも、どうしてピルを内服することで妊娠を防ぐことができるのでしょうか。

それには3つの作用が関係しています。

●排卵の抑制(これがメイン)

まず一つに、女性ホルモンの含まれたピルを内服することで排卵が止まります

 

排卵とは、女性が月に一度卵巣から成長した卵子を受精のためにポンと排出する現象。

受精卵の一部となる卵子自体が排出されないので、妊娠が防がれるというわけです。

 

●子宮内膜を厚くしない

次に、ピルを内服すると子宮内膜が分厚く成長することを防ぐことができます。

 

よく生理の仕組みを説明するときに「赤ちゃんが成長するためにフカフカのベッドを用意する」なんて表現を聞きますが、そのベッド(子宮内膜)を用意しないということです。

 

これによって受精卵が着床しにくい環境になります。

 

●頸管粘液の変化

最後の作用は、子宮頚管(膣のすぐ上の部分)の粘液の性状を変化させること。

この作用で精子が子宮内に入ってきにくくなるのです。

 

この3つの作用が合わさることで、避妊の効果を得ることができます。

 

●ピルをやめたら妊娠できる?

ピルに関するお話をすると高確率で「本当に妊娠したいと思った時には、ちゃんと妊娠できるの?」という質問を受けますが、

 

できます。

 

妊娠したいと思ってピルをやめて半年ほどで、通常の生理周期に戻ることが多いと言われています。

 

また近頃はピルを内服していない女性よりも、ピルを一定期間内服していて中止した女性のほうがその後の妊娠確率が高くなるともいわれており、「いつか妊娠するために」ピルを内服しておくという選択をする人も増えているようです。

 

ピルのもたらすメリット

ここからは、ピルが女性の生活にもたらしてくれるメリットをご説明していきます!

●避妊のコントロール

前述したとおり、ピルには妊娠を防ぐ効果があります。

 

日本では避妊というとまだまだコンドームが主流ですが、コンドームという男性の協力なくしては使用できない方法でしか、女性の体に起こる妊娠を防げないというのは少し心細いものです。

(またフランスなど諸外国では、ピルなど女性主導の避妊が基本という考え方の国もたくさんあるのです)

 

私自身ピルを飲み始めたことで、妊娠を自分でコントロールできるようになったことへの大きな安心を感じました。

 

妊娠するのも、出産するのも、中絶するのも女性です。

その選択の主導権が女性にあるというのは、とても重要なことのように感じます。

 

●生理のコントロール

ピルを内服するようになると、休薬期間に生理がくることがわかるので旅行などの予定を立てることがとても簡単になります。

また休薬期間を調整することで生理のくる期間をずらすことも簡単にできるので、受験など大切なイベントと生理が重ならないようにコントロールすることが可能です。

 

「まさか、今日生理がくるなんて・・・!」

と、誤爆に遭ってコンビニに下着とナプキンを買いに走る日々とはおさらば。

 

●生理が軽くなる

ピルの作用の項目でご説明した通り、ピルを内服すると子宮内膜が分厚くなることを予防できます。

 

生理の際の出血は子宮内膜がはがれて排出されるものですので、その子宮内膜が薄く済むということは同時に経血の量も減少するということを意味します。

 

ちなみに私は、ピル内服前は「多い日用タンポン+夜用ナプキン」を使用してもベッドのシーツを血で赤く染めてしまうほどの出血量だったのですが、内服し始めてからは「昼用ナプキン」で十分おさまるほどに出血量が減少しました。

 

生理の期間も7日→3日と大幅に短縮。

 

経血の量が少なくなると必然的に生理痛も軽くなるので、生理によってもたらされる苦痛が劇的に減少したというのは言うまでもありません。

 

●精神の安定

ピルによってホルモンバランスが整うことで、生理前や生理期間中のメンタル不調も改善されることが期待できます。

 

私はイライラというよりは情緒不安定になるタイプで、以前は生理前になると普段ならスルーできるようなちょっとしたイジリなんかにも傷ついてめそめそと落ち込んでしまうようなめんどくさい人間でした・・・(笑)

今はそういった生理周期に関連した情緒不安定は全くなくなり、周囲の人に迷惑をかけずに済んでよかったなぁとしみじみ感じています。

 

●美肌になる

これもホルモンバランスが整うことによる副効用なのですが、ニキビ(吹き出物)ができにくくなり肌がきれいになるという影響もあります。

 

●子宮体がん、卵巣がんの予防

ピルを長期間内服していた女性では、子宮体がんと卵巣がんに罹る確率が半分になるという研究結果があります。

排卵が止まり、子宮内膜が分厚くならないことで卵巣と子宮の負担が軽くなるからだそうです。

 

ピルのデメリット

ここまで読むだけでは「ピルは生活を快適にする魔法の薬!」みたいに思われてしまいそうですが、もちろんデメリットもあります。

 

メリットとデメリットを比較して、自分に合いそうかどうか検討してみてくださいね。

 

●ピルの副作用

ピルは女性ホルモンを含んだ薬剤なので、ほかの薬と同じようにいくつかの副作用があります。

 

起こる頻度の高いものとしては「頭痛、吐き気、むくみ、乳房の張り」など。

これらの副作用は体内のホルモンバランスが変化したことによって10人に1人程度の割合で起こりますが、1か月~3か月ピルの内服を続けると改善してくることが多いようです。

 

一言で低用量ピルといっても薬剤の種類は複数あり、副作用がひどい場合にはその種類を変えることでピタッと収まる方もいるそう。

 

また「ピルを内服すると太る」という話もよく耳にしますが、これについては因果関係を立証するデータは今のところ無いというのが実情。

 

●血栓症のリスク

ピルのリスクとして特に注意が必要なのが、血栓症です。

 

血栓とは血液の固まりのことで、これが血管内に詰まって血液の流れを妨げてしまったときに起こるのが血栓症です。

 

この血栓症のリスクが

 

ピルを飲まない人:2万人のうち1人

ピルを飲む人:2万人のうち3~5人

 

に上昇すると言われています。

 

ちなみに妊婦さんの血栓症リスクは、2万人のうち12人です。

 

この確率を高いと思うか低いと思うかは、個人差がありそう。

 

血栓症の予防のために、ピル内服中は水分補給を積極的にしたり、長時間座りっぱなしになるときは足をこまめに動かすなどの予防をすることが大切になります。

●子宮頸がん、乳がんのリスク

またピルの服用によって子宮頸がんのリスクが上昇するという報告があります。

 

服用期間が5年以内の場合はリスク上昇はごくわずかですが、服用期間によってはリスクが上昇する可能性があるため、ピルの使用者は必ず1年に1回は子宮頸がん検診を受けることをすすめられています。

乳がんについては基本的にはリスクが上昇する可能性は低いと言われていますが、家族に乳がん罹患者がいる場合などは医師と相談しながら使用することが推奨されています。

 

●毎日飲む

ピルは毎日決まった時間に服用する必要のある薬ですが、この「毎日、決まった時間」というのが結構負担だったりします。

飲み忘れないように①毎日繰り返しでアラームをかける②寝る前、朝ごはんの後、などルーチンワークに組み込んでしまう、といった工夫をされている方が多いようです。

 

ですがこのルール、以外と甘いところもあって、もし決まった時間に飲み忘れてしまったら「気づいた時点で1錠内服、次回のいつものタイミングで1錠」内服することでピルの効果は持続すると言われています。

 

最大丸一日飲み忘れても「翌日のいつものタイミングで2錠」内服でセーフです。

 

こう聞くと、意外といけそうな気がしませんか?

 

私は丸一日飲み忘れたことはありますが、二日連続忘れたことはありません!(胸を張れることではない)

 

●コスト&処方

そして無視できないのが、コスト面での負担です。

 

低用量ピルは1か月分の1シートで約3,000円

一年間で約36,000円の出費です。これは結構痛いですね。

 

海外ではもっと低価格で入手できることが多いので、日本でも早くもっと手軽に購入できるようになってほしいものです・・・

 

またピルは婦人科に受診して医師に処方をもらう必要があるので、数か月に一度必ず病院に行かなくてはならないというのも手間だなぁと感じることがあります。

定期的に採血をしたり子宮頸がん検診を受けたりすることで、健康管理という面ではメリットにもなるかなとも思うのですが。

 

ピルの入手方法

ここからは自分もピルを使用してみたいなと思った際に、どのように入手したらよいのかをお伝えしていきます!

 

●医師に処方をしてもらおう

ピルを内服するには医師の処方が必要なので、近隣の婦人科を受診してピルの服用を検討していることを伝えましょう。

(高血圧や血栓症の既往、喫煙者であることなどによってピルが使用できない場合もありますので必ず医師にご相談ください)

問題なくピルが使用できることがわかると、看護師や助産師からピルの服用方法や注意事項などを説明されることが多いです。

 

処方箋が発行されたら、それを持って調剤薬局に行きピルを受け取ります

 

あとは数か月おきに受診して、継続して処方をもらえばOK。

副作用がある場合にはそこで医師に相談して判断をあおぎましょう。

 

中には悲しいことに古くからの価値観をアップデートしていないばかりに、ピルを使用したいという女性に対して「生理なんてみんな我慢している」「妊娠できなくなるよ」などとなんの根拠もないトンデモ発言をする医師がいたりもします。

 

そんな医師にあたらないためには「ピル外来」や「ピルの学割」なんかを実施している病院は、若者の受診やピルユーザーの受診にも慣れていて適切な対応をしてくれる病院が多いように感じます。

病院選びのご参考になさってください。

 

また地方にお住まいだったり、学生で婦人科のハードルが高かったりでなかなか受診に踏み切れない方は「オンライン診察」という形で処方を受けることもできます。

 

ぜひインターネットで「ピル オンライン処方」とググってみてくださいね。

 

●ネット通販は危険がいっぱい

日本でピルを入手するのはとても大変で値段も高いことから、海外から個人輸入したピルを通信販売する業者が多くあります。

またTwitterなどのSNSやメルカリ等のフリマアプリを通じて、ピルの販売を行っている人も少なくないと聞きます。

 

そのようにして出回っている薬剤は偽物であることも多く、また日本で承認して販売されている薬剤ではないために重篤な副作用などが起こっても十分な対処がとれない可能性がありとても危険です。

 

魅力的に見える気持ちもよくわかるのですが、きちんと医療機関から処方を受けられることをお勧めします

 

偏見だけで判断しないで

「ピルは遊んでいる人が飲む薬」

 

そんな偏見があるから、制服で婦人科を受診することができない子供たちがいます

ピルは避妊だけでなく、月経困難症の治療としても使用される薬です。

 

そして避妊に主体的に取り組むことは、恥ずかしいことではありません。

自分の体に向き合い、その責任を自分で担うことは素晴らしいいことです。

 

「ピルってなんか怖そう」

 

そんな偏見があるから、必要な人に情報が届かない現状があります。

 

メリットもあれば、デメリットもある。

大切なのはその両方をよく理解し、使うか使わないかを「自分で決められること」ではないでしょうか。

 

この記事が誰かの役に立つことを願って。

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